防災工房通信 詳細ページ Column
防災グッズ大賞 生活用品部門で防災グッズ大賞を受賞された、「フィンガーウェッティ」について、お話を伺いました
昨年、防災グッズ大賞生活用品部門で防災グッズ大賞を受賞され、TV番組(フジテレビ「ノンストップ」2020/9/8、NHK「おはよう日本」2020/10/9)等でも紹介された、水の入らない指サック型の歯磨きシート「フィンガーウェッティ」について、株式会社 本田洋行 本田将彦さまに お話を伺いました。
「フィンガーウェッティ」とは、どんな商品でしょうか?
主に介護での使用を想定し、指サック型の歯磨きシートとして開発されましたが、それ以外にも防災用備蓄品や普段使いでもお使いいただいております。水が使えない時に便利な商品です。
成分は、歯磨き粉というより、ウェットティッシュに近いです。
キシリトールやメントールなどの爽快感があり、歯に良い成分を配合しています。
▲指サックのように装着します。
▲介護などでの使用方法(下記動画も合わせて、ご参照ください)
国内工場で社内生産しており、東急ハンズやケーズデンキといった小売店や生協でも、お取り扱いいただいております。
歯科医師さんとの共同開発と伺いました、開発はどのように進んでいったのでしょうか?
医療法人尚古会 坂歯科の坂宗尚院長に、指型の歯磨きシートを想定していることを相談したところ、気に入っていただき、それからご指導をいただくようになりました。
通常の歯磨きと比較して、特に良いのは、口中をマッサージ(刺激)しやすいところです。
口の中は神経が多く刺激を与えることが大事で、当商品はキレイにすると同時に、適切な刺激をあたえられるところが良いとお褒めいただいています。
監修 坂宗尚院長より
歯を磨くことは、口の中を清潔にすることが目的ですが、これ以外にも重要な役割があります。
それは、口の中を刺激することです。口の中を刺激すると、脳血流が増加し、脳の機能が活性化されます。
普段、何気なく行われている噛むことや歯を磨くことは、脳を刺激することで、生活を支えていると言えます。
ところが、高齢になり、噛む必要のない食事をしている人や自分で口を清掃できない人は、口からの刺激が脳に伝わらなくなります。こうなると、飲み込みの力が低下し、誤嚥性肺炎の危険度が高まり、認知機能も低下してきます。
このような方は、他の人が口の中を清掃、刺激してあげなければなりませんが、
歯ブラシを使って、毎日食後3回、他人の口を清掃することは重労働です。
口が開きにくい、抵抗する方はなおさらです。そこで、考案されたのがこのフィンガーウェッティです。
これを用いると、口が開きにくい方にも使いやすく、見なくても指の感覚を使って清掃、刺激ができます。
ただし、歯ブラシを使わない方法は、細かなゴミが残りやすので、週1回の割合で、
歯科衛生士による徹底した清掃や飲み込み訓練を行ってもらうことをお勧めします。
また、モニター調査時には、歯科医師、介護職員、看護師、歯科衛生士から、下記のような感想や意見を頂きました。
- 指の感覚で使用できることが良い
- 指に巻き付ける必要がなく、持ち手もあるため脱落するリスクが少なく使いやすい
- 指サックのシールされている部分が少し硬いので、ここを使って歯の隙間などを拭きとりやすい
嚥下困難の方や、介護現場の方々に対しては、坂院長のご指導を受けながら、四国中央市内の総合病院内や介護施設にて、当商品を使って口腔内をマッサージすることを啓蒙しています。
慣れてない方は、指を他人の口の中に入れるのに抵抗がありますが、その辺も含めてご指導されています。
ご使用頂いたお客様からも、大変好評を頂いております。
「フィンガーウェッティ」の製法について教えてください
素材は、内層がPP素材の不織布で、外層がレーヨン主体不織布の2層構造となっています。
PPは熱融着するので、超音波シールでき様々な形状に加工できます。
製造工程としては、超音波シールした後、カットして指定枚数集積してから袋に詰めて、薬液充填します。
国内の社内工場で、60枚入り商品を大体1000~1500袋/日のペースで生産しています。
「水が要らない」「指サック型で使いやすい」、介護の場面でも災害時にも、重宝する機能を持った「フィンガーウェッティ」をご紹介頂きました。
水が手に入りにくい災害時の歯磨きをどうするか、という観点は、普段なかなか認識していませんでしたが、切実な課題ですね。
病院や介護施設で既に活用されており、介護者の負担を低減しつつ、口中マッサージの刺激によって、非介護者に良い効果が期待できるという、とても優しい商品でした。
口の中に入れて使う商品なので、国内生産されている点も、安心に繋がりますね。
ご購入は、下記リンクの防災グッズ工房内通販ページからも可能です。