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この夏は安心安全に水辺のレジャーを楽しもう!
その他 防災グッズ工房 2022.08.09

この夏は安心安全に水辺のレジャーを楽しもう!

海水浴に川遊び、ボートや釣りなど、楽しい夏の遊びで注意したいのが水の事故です。自分や身の回りの人が事故に遭わないよう、水のレジャーの注意点をご紹介します。

今年は各地の海水浴場で約3年ぶりの海開きが行われています。ただ、毎年楽しいはずのレジャーで悲しいニュースも報告されています。周りの大切な人が事故に遭わないよう、注意点をしっかり守って安全・安心に楽しみましょう!

海の安全な遊び方は?

まず、基本的なこととして、水温の変化が大きい場所や潮の流れが早い場所、海藻が多く茂っている場所は遊泳禁止となっています。自分が泳ごうとしている場所に、「遊泳禁止」や「危険」といった看板などがないかしっかりと確認し、遊泳が許可された海岸であることを十分に確かめた上で海水浴を楽しみましょう。

そして遊泳は想像以上に体に負担がかかるもの。体調が悪いとき、睡眠不足の時などは遊泳を中止しましょう。また、飲酒後の遊泳も水難事故のリスクが高いとされています。お酒を飲んだ後は海には入らないようにしましょう。また遊泳では普段使わない筋肉も動かします。急な運動をすると筋肉が痙攣し、海難事故の原因にもなりかねません。遊泳前はしっかりと準備運動を行なってください。

また、波が高いときや海が荒れることが予想される時は、海に入らない・出ないことが鉄則です。海水浴や釣り、クルージングなどのマリンレジャーに出かける前には、必ず気象情報を確認しておきましょう。

「離岸流」には十分に注意!

遊泳許可された海水浴場にも危険は潜んでいます。その一つが「離岸流」です。

離岸流とは、海岸に打ち寄せられた波が沖へと戻ろうとする時に発生する強い流れのこと。波は沖から海岸へと打ち寄せますが、海水はどんどん岸に貯まるので、どこかから沖に戻ろうとします。この時、岸から沖の方へ向かって一方的に流れる早い流れのことを「離岸流」または「リップカレント」と言います。

発生しやすい場所は以下の通りです。

・海岸が外洋に面しているところ
・浅瀬で海岸線が長いところ
・近くに人工構造物があるところ

離岸流に流されると、知らないうちに沖まで流されてしまうことがあるので注意が必要です。
万が一流されてしまった場合は、落ち着いて対処することが大切!慌てず岸と平行に泳ぎ、沖向きの流れを感じなくなったら岸へと向かって泳ぎましょう。

川での安全な遊び方は?

海と同様に川での水遊びも注意が必要です。

河川の状態は、上流の天候によって大きく変化します。普段は穏やかな流れが前日の大雨などにより急激に増水している場合もあります。川のレジャーに出かける前は、当日や前日の天候をチェックしておきましょう。

▲浅く見えていても急に深くなる場所もあります。十分に気をつけましょう。

また、川で遊んでいる最中も、川の状況に気を配っておきましょう。上流の空に黒い雲が見えた時や雷が聞こえた時、雨が降り始めた時、落ち葉や流木が流れてきた時などは水量が急激に増える前兆です。すぐに避難してください。

もしものときは「ういてまて」!

海や川など水辺に近づく際には、ライフジャケットを着用しましょう。

もしも岸から離れた場所で落ちたり、溺れたりした場合には「ういてまて」の姿勢で救助を待ちましょう。靴や服を着たままだと、衣類が水分を吸収して重く動きにくくなります。慌ててもがくと溺れてしまうだけでなく、泳ぎが得意な人でもうまく泳げず、無理に泳ぐと体力を所望することにもなりかねません。

「ういてまて」はその名の通り、「浮いて待つ」という意味で、水面に体を仰向けに浮かべて呼吸を確保して救助を待つ方法です。

水に落ちた時に助けを求めようと手を上げると、体は立った状態で頭の一部だけが水面にでるため、さらに溺れやすくなってしまいます。長く呼吸ができるようにするには、次のポイントを守りましょう。

①慌てず大きく息を吸って、水面に仰向けになりましょう。
 この時に顎をあげて空を見るようにすると息がし易きなります。
②手足は大きく大の字に広げて、水面に浮いたままひたすら救助を待ちましょう。
③水に落ちても無理に服や靴を脱がないようにしましょう。

軽い靴は浮き具の代わりになり、服は体温を保つ役割を果たします。

この方法は「着衣泳(ちゃくいえい)」といい、水難学会の救命救急視野指導員が全国の小学校などでも教えています。東日本大震災の際、宮城県の小学校では津波に押し流された子どもた教員たちがこの「ういてまて」を実践し、助かったケースがあります。

そして今では、津波被害の多いフィリピンやタイなどのアジア諸国にも「UITEMATE」という日本語のまま広まっています。

力が抜けた状態で水面に浮くことができたら、長い時間息をすることが可能になり、体力も温存できます。もし、ペットボトルやボール、発泡スチロールなど浮くものがあれば、ラッコのように胸に抱えると浮力があるのでより安心です。

大切なことは、溺れている人を見かけたら、助けようとして飛び込んではいけません。119番に通報し、大声で助けを呼ぶのが賢明です。近くにボールやクーラーボックスなど身の回りにある水に浮くものがあれば、溺れている人に投げてください。

基本的なことですが、水深が浅い場所でも、転倒して溺れたり流されたりすることがあります。特に、子どもだけでの水遊びは大変危険なので、注意してください。

▲水辺に近づく時は、ライフジャケットを着用しましょう。

今年の夏も楽しく安全に過ごせるよう、いざというときに備えておきましょう!