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「避難情報に関するガイドライン」改正から1ヶ月、どう変わった?
防災グッズ工房 2021.06.22

「避難情報に関するガイドライン」改正から1ヶ月、どう変わった?

5月20日に「避難情報に関するガイドライン」が改正されました。どこが変わったのが、今一度確認して、もしもの時に備えましょう!

「避難情報に関するガイドライン」が改正されました

この時期心配なのが、水害。日本ではほぼ毎年水害による被害が各地で発生しています。ここ数年でよく耳にする、異常な大雨をもたらす線状降水帯は、日本全国どこに発生してもおかしくありません。特に各地に甚大な被害をもたらした2018年の西日本豪雨、2019年の令和元年東日本台風は、河川の反乱や土砂崩れなど、東日本を中心に大きな爪痕を残していきました。

2019年の台風19号では五十鈴川と支流の矢田川の水位が当時の「警戒レベル4」に到達し、一部が周辺の田や道路などに越流。

楠部町周辺では、住宅の床下浸水や、車数台が天井近くまで水につかるなどの被害が出ました。

これらの豪雨においては、避難勧告が発令されても避難をしなかったり、避難が遅れてしまった方も多く、防災情報の警戒レベルがわかりにくいという課題がありました。

これを受け、内閣府では災害対策基本法を改正。

「避難情報に関するガイドライン」の見直しを行い、2021年5月20日から運用が始まっています。

新たなガイドラインで運用が始まった先月は各メディアでも伝えられ、もうご存知の方も多いかと思いますが、今一度見直し、これからの台風シーズンの心構えをしておきましょう。

「警戒レベル」がわかりやすく改正!

警戒レベルは、住民が取るべき行動を直感的に理解できるように、数字でリスクを分類したもので、数字が大きいほど災害発生リスクが高くなります。(レベル5が最大です。)

5段階あり、レベル1と2は気象庁が発表するもので、危険が迫り来る状況を伝えてくれるものです。警戒レベル3以上は市町村が発令するもので、より身近で切迫した危険を知らせる情報となります。

従来の警戒レベルはこのような形でした。

改正前
レベル 5 災害発生情報
レベル 4 避難指示・避難勧告
レベル 3 避難準備・高齢者等避難開始
レベル 2 大雨・洪水・高潮注意報(気象庁)
レベル 1 早期注意情報(気象庁)

この中でレベル4に「避難準備」と「避難勧告」の2つが存在しています。

どちらが緊急性のある情報かわかりづらいということもあり、これによって、避難が遅れてしまったのではないかと考えられました。

レベル3も「避難準備」と「高齢者等避難開始」の2種類からなっており、同じ様にわかりづらいという声も多くありました。

そこで、よりわかりやすくするために今回の改正となったわけです。

改正後
レベル 5 緊急安全確保
レベル 4 避難指示
レベル 3 高齢者等避難
レベル 2 大雨・洪水・高潮注意報(気象庁)
レベル 1 早期注意情報(気象庁)

避難勧告が廃止され、避難指示に。避難準備も廃止され高齢者等避難に統一されました!

レベル3は高齢者や体の不自由な方が避難を開始する段階、レベル4は全ての人が避難をする段階とされています。

レベル5は災害が切迫しているか、すでに災害が発生している段階です。この段階では避難をすることが難しくなるので、レベル4までに必ず避難するようにしましょう。

▲発表の際の「色」にも注目。危険度をよりわかりやすくするための色付けがされました。

レベル5になるまえに、安全な避難を

一方、ここ数年の日本の気象状況から、同じ地域でも年に複数回「レベル4相当」の気象状況となることが考えられます。

実際に、少しでも災害の危険性がある場合には、市町村からレベル4が発令されるため、毎回災害に結びつくとは限らず、空振りになってしまうこともあるかもしれません。

しかしこれが繰り返されると「レベル4でも避難しなくても大丈夫」と慣れの考えになっていしまい、実際レベル5に相当する気象状況の時に、逃げ遅れてしまう可能性があります。

レベル4で避難をして何もなかったとしても、「よい訓練になった」「何事もなくてよかった」と考え、心構えを忘れないことが大切です。

まずは、ハザードマップで自分の住んでいる街の危険リスクを知り、避難場所を安全性も含めて確認を。そして、もしもの時に備えて防災用品や非常食など日頃から備えておきましょう。