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ローリングストックのススメ
消費と購入を繰り返す備蓄方法「ローリングストック」。この機会に、あなたも始めてみませんか?
大規模な災害が発生すると、電気や水道、ガスなどのライフラインが止まってしまったり、物流が滞ってしまい、生活に必要な食料や日用品などが手に入らなくなることがあります。
このような時、公的な支援が実施されることもありますが、やはりすぐには届かず、細部にわたって把握できずに問題が起こってしまう…というケースも。
自分の身を守る、自分の周りの人を守る取り組みとして、最低3日分、可能であれば1週間分の食料や飲水、日用品などを備蓄して、もしもの時に備えましょう!
この備えにピッタリなのが「ローリングストック」なのです。
ローリングストックとは?
これまでの「災害用の備蓄品は期限の長いものを選び、もしもの時に備えておく」という備蓄方法ではなく、普段日常の生活で使う食料や日用品をもしもの場合に備えて多めに買っておくという方法をいいます。
食料を一定量に保ちながら消費と購入を繰り返すことで、備蓄品の鮮度を保ち、いざという時にも日常生活に近い食生活を送ることができるのです。
▲もしもの時にいつもの食事がとれるだけで、安心感が生まれます。
ローリングストックを始めるにあたってのポイントはまずは、古いものから使うこと。
備蓄する食料や日用品が古くなってしまわないよう、消費の際には必ず一番古いものから使うようにしましょう。例えば、新しいものは右側に配置し、左側の古いものから使っていく、と言うふうに、各家庭に合った備蓄方法で上手に循環させることが大切です。
次に、使った分は必ず補充すること。
ローリングストックでは、備蓄品としてストックしているものは、いつ食べても、いつ使っても構いません。ただし、使った分は必ず買い足すようにしましょう。災害はいつやってくるかわかりません。補充を怠ったタイミングで発生する可能性もあります。消費した分の補充は必ずすぐに行ってください。
とはいえ食料の場合、まずは何を買い揃えたらいいのか、わからない方もいらっしゃるかと思います。
従来の非常食の定番であるカンパンや缶詰…でなくとも構いません。
普段の生活で使う食料でもいいのです。レトルト食品や冷凍食品、日持ちする野菜のような生鮮品でも備蓄の対象になります。他にも野菜ジュースやカップ麺、ドライフルーツなどもオススメ。
消費したら常に買い足すという考え方なので、賞味期限や消費期限が3年といったものを選ぶ必要はなく、1年以内のものでも十分なのです。そうすると、選ぶ食品の幅も大きく広がりますよね。
食料品だけでなく日用品もお忘れなく!
ローリングストックで日常の食料品を多めに準備しても、災害時にはガスや電気、水道が止まり、せっかくの食材を調理できないことが想定されます。
そんな時に役立つのが「カセットコンロ」です。
ローリングストックで備蓄している食料品を活かすためにも、カセットコンロとガスボンベは必需品です。ガスボンべもローリングストックの一品として備蓄しておきましょう。
▲食料水もお忘れなく!
ほかにもウエットタオル、アルコール消毒液、マスク、乾電池、使い捨てカイロなど、常に一定量家庭に備蓄されていると、突然の災害にも対応しやすいです。また、冬場は暖房機器の燃料にもなる灯油もプラス1缶多めに準備しておくとよいでしょう。
まずは始めてみませんか?
災害への備えと一言でいっても、備えるべきことは数多くあります。だからこそ、まずは自分ができることから始めてみましょう。
おいしく食べて安全に備えるローリングストック、ぜひご家庭でも取り入れてみてはいかがでしょうか?